『あと少し、もう少し』
瀬尾まいこ
中学生の駅伝の話。
そう自分の中で括ってしまって、手にとるのを躊躇していました。
でも、そういうのではなく。
私たちは自分の心しか分からない。というか自分の心さえよく分からないのですが。中学生の頃って、相手の気持ちが理解しきれず悩むこともあるかもしれません。
でも、大人も同じ。
むしろ鈍感で。
それでいて、もう悩むことからも降りてしまっている。
6人それぞれの個性と思いが、愛おしくて仕方ない。
中学生の頃に読んでいたら、また違う感想になるのかも知れませんね。
いつも思うのですが、瀬尾さんの書くものは、押しつけがましくない雰囲気が心地よいです。
もう枯れたかなと思っていた根に、冬の間ずっと水をやっていたら芽を出し。ついに咲きました。
うれしいことの一つです。